No man is an island

I worked in Bhutan as JICA volunteer during 2017-2019. I am a graduate student in US.

No man is an island

5. 義足のジャンパー

そろそろリオオリンピックが開催されます。

オリンピックのある夏は個人的に好きですね。

 

しかし、最近はあまり良いニュースは聞かないですね・・・

ドーピング問題でロシア代表の陸上選手は本大会において出場が

見送られています(2名の選手だけは出場可)。

あの、棒高跳び世界記録保持者である

エレーナ・イシンバエワ選手も出場できないことが報じらていました。

女性には困難とされていた5mの壁を破り、なお1cmずつでも記録を

伸ばしていく彼女の貪欲さがとても印象的でした。

 

閑話休題

先日、TVを見ていたらパラリンピックに出場している

走り幅跳び選手のドキュメンタリー番組が放送されていました。

皆さん、マルクス・レーム選手をご存じでしょうか。

 

 

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http://www.newsdigest.de/newsde/features/7522-markus-rehm.html

 

なぜ今、彼が注目されているかなんですが、

2014年7月に行われたドイツ選手権で健常者を破って優勝し、

陸上界に大きな衝撃を与えました。彼の記録ですがなんと8m24cmです。

この記録はロンドンオリンピックの銅メダルを獲得できる水準の記録なのです。

また、自己ベストは8m40cmであるから驚きです。

ちなみにこの記録ですと、北京オリンピックの金メダルの記録と

1cmしか変わらないのです。

そんな彼ですが今回、リオオリンピックに出場することを

希望しています。

 

しかし、やはり世間から厳しい指摘を受けるようになります。

国際陸上競技連盟から義足の公正性について証明しなければ

オリンピック出場は認めないと断言されてしまいました。

カーボン繊維製の義足が跳躍に有利に働いたのではないかと

されているのです。

 

そこでこの番組では、日本の研究者や海外の研究者と共に科学的な

メスを入れて、義足の公正性について証明しようとするのです。

 

研究者の見解では、義足の公正性は十分あるという結論

に至ったのですが、

連盟側は、助走では義足は有利に働いていないとするが

踏切時では、健常者と義足とでは異なるので公正であるかどうか

計れない。したがって、今回はオリンピック出場を認められない

という結論を出したのです。

 

14歳の頃に右足をウエイクボードの練習中にボートのスクリューに

足を巻き込まれ、右足の膝下を失った。失意のどん底からすぐ気持ちを切り替え

リハビリを開始し健常者と混じって事故にあったウエイクボードの大会に出場する。

これだけでもすごいことですが、おおわざを決めて準優勝してしまうところが本当に

素晴らしい。義足と出会い、彼の人生は大きく変わったことになります。

 

また、彼は自ら義肢装具士の資格を取得し、職人として同じ境遇にある人々を

支えているのです。感動と勇気を与えられる人は、本当に素敵です。

優勝するために薬に依存してしまう人もいますが、

自らの努力で健常者と対等に、そしてそれをも超えてしまう彼は

リスペクトに値するに相応しいです。

 

リオ・パラリンピックでの彼の活躍を私は応援したいと思う。

 

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